部分最適の積み重ねだけで社会は良くなるか?
ニュースや新聞では政治に関する内容はほとんど毎日取り上げられ、昨今ではSNSでも政治に関する投稿が増えてきています。そこでよく見かけるキーワードの一つとして「税金の無駄遣い」があります。ほとんどの投稿は部分的な問題定義にとどまり、全体感を用いて語られるケースは少ないのが印象です。
部分最適が根強い日本社会
日本企業では「カイゼン」といった現場主義の業務最適化を目指すのが主流でした。これは高品質・大量生産の時代にはマッチしていましたが、現代では全体最適の観点で業務プロセスを考えることが重要視されてきています。これは政治的観点でも同様なことが言えると考えています。
部分最適志向からの脱却を目指す
部分最適の考え方が全くいらないわけではありませんが、部分最適が強く出すぎると組織はまとまりません。部分最適が根強い組織は強い権限を持つチームが通す案が通りやすくなり必ずしもそれが国全体、社会全体のためになるとは限りません。そのためにはまず全体最適を目指す意思統一が必要です。本記事は概要ベースで国家予算について説明し、今後国家予算をテーマとして部分的に考えながら全体最適で考えられるきっかけとなる記事を書いていく予定です。
そもそも国家予算とは何か
国家予算とは国が1年間に収入を得て支出する計画を定めた財政計画です。国家予算には大きく分けて「一般会計予算」と「特別会計予算」があります。
一般会計予算
国の基本的な行政活動に関する収入と支出を管理する会計です。これには、税金(所得税、消費税など)や公共事業、社会保障、教育、防衛など、日常的な政府の運営に必要な経費が含まれます。

出典:日本の財政の状況 財務省
特別会計予算
特別会計は、特定の事業や目的のために設けられた会計です。一般会計とは別に管理され、特定の収入源と支出項目が明確に区分されています。例えば、年金特別会計や労働保険特別会計などがあり、それぞれの目的に応じた資金の運用が行われます。
企業や団体の組織の会計は本来単一の会計で経理されるべきであるものの、行政活動においてはその活動が多岐にわたり複雑となるため、一般会計に該当しないものについては特別会計として事業や資金運用の状況を明確にするために特別会計が設けられていると財務省のHPで説明されています。
参考:特別会計 財務省
国家予算に対する日本政府の考え方
主に財務省の資料となりますが、それらの情報をもとに国民が国家予算をうえで重要なポイントをまとめてみました。
収入と支出のバランス
国家予算は、収入(税収や公債など)と支出(社会保障、公共事業、防衛など)のバランスを取ることが基本です。収入が支出を上回ることが理想ですが、現実には借金(公債)に依存することも多いです。
社会保障の重要性
日本では高齢化が進んでおり、年金や医療、介護などの社会保障費が大きな割合を占めています。これらの支出は国民の生活を支えるために不可欠です。
財政健全化
持続可能な財政運営を目指すために、国債の発行を抑え、将来世代への負担を軽減することが求められます。プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化が目標とされています。
政策の優先順位
国家予算は、政府の政策目標を反映しています。経済成長、教育、環境対策、防衛など、どの分野に重点を置くかが予算編成の際に重要なポイントとなります。
透明性と説明責任がなされているか
国民に対して予算の使い道を明確に説明され透明性を確保できているかといった観点も重要です。
まずは政治に関する情報を批判的思考で読んでみる
現代社会は情報に溢れています。特に政治に関する情報は毎日のように目にします。政治は私たちの生活に直接影響を与えるため、正確で信頼できる情報を見極めることが重要です。批判的思考で読むことでのメリットを以下に記載します。
情報の出どころの信頼性を確認することで誤認を防ぐ
政治に関する情報は、さまざまなメディアやソースから提供されますが、そのすべてが信頼できるわけではありません。批判的思考を持つことで、情報の出所や信頼性を確認し、誤情報や偏った情報に惑わされることを防ぐことができます。
多角的視点を持つことができ全体最適の観点で考えられるようになる
政治に関する問題は複雑で、多くの側面があります。批判的思考を通じて、異なる視点や意見を理解し、より包括的な見解を持つことができます。これにより、偏った見方を避け、公平な判断ができるようになります。
自己の意見を形成し自らの意思で政治に参加できる
批判的思考を用いることで、提供された情報を鵜呑みにせず、自分自身の意見を形成することができます。これにより、他者の意見に流されず、自分の考えを持つことができるようになります。
批判的思考で情報を捉える癖をつけ少しずつ知見を広げていく
政治に関する情報は多岐にわたり、非常に複雑です。今まで興味のなかった人にとっていきなり全体を把握することは困難です。一つずつ興味のある政策に対する様々な主張を批判的思考で読み解き自身の考えを構築していくことを繰り返していくことが全体感を把握する一歩だと私は考えます。
個人的なおすすめは、経営者・経営層を経験されている方のSNS等での意見について考えることです。政治・経済を大局的に捉えながら大規模な社員を動かし利益を生み出していくことを実践してきた方々の考えは本質的であるため、その考えに至るロジックを理解することで自身にはない新たな発見が得られます。
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