退職代行モームリをはじめとして多くのメディアに取り上げられ認知度が向上し年々利用者が増加している退職代行サービス。相場としては一人当たり約2~5万円で退職を代行してくれるサービスのビジネスモデルはどうなっているかを考えてみましょう。
退職代行サービスの概要
サービスの内容
その名の通り、退職の代行してくれるサービスです。どの退職代行のサービスも退職の申し入れの代行や退職手続きに必要な書類作成などのサポートがメインとなっています。
サービス利用時の留意点
あくまで退職を代行するサービスのため有給消化等といった会社との交渉が可能かどうかは活用するサービスによって異なります。
法律上、弁護士や労働組合だけが企業と交渉できるようになっているため、退職代行を活用する際はサービスがどこまでできるのかを調べて依頼すると良いでしょう。
利用者のニーズ
サービスが開始された当初は、辞めたいといっても辞められない、パワハラ上司が怖くて自分から言えない等といったいわゆるブラックな企業・組織から抜け出すために活用されているイメージでした。
現在はそれに加え、そこまで悪質な企業ではない場合においてもZ世代を中心に利用しているケースが増えてきている印象です。このことから、退職代行サービスを利用することですぐ辞めることができるといったニーズはタイパ・コスパを重要視するZ世代にマッチしているとも考えることができます。
マイナビキャリアリサーチLabの調査によると退職代行の利用者の内、20代が最も高く年代が低いほど割合が高い傾向にあります。
出典:退職代行サービスに関する調査レポート(2024年) マイナビキャリアリサーチLab
退職代行以外のサービス
退職代行サービスを実施することで得られるノウハウ・情報等をもとに参入できる他の事業について考えていきます。
転職支援サービス
退職代行サービスを利用した方をその流れで転職の支援をするサービスです。退職代行サービスを実施していくことでブラック企業のデータが溜まっていくことになり、それを強みとして打ち出すことでホワイト企業に行きたい利用者に向けた転職支援が可能になります。実際に退職代行を運営している会社は転職支援サービスも同時に行っているところが多いです。
人事コンサルティングサービス
企業側は退職時に理由などのヒアリングを退職者に実施することが基本ですが、企業にネガティブな印象を抱いて退職する人は本心を伝えない傾向にあります。反対に相談に乗ってくれる退職代行サービスには本心を明かす傾向にあり、正確な退職理由のデータが退職代行サービスを運営する会社に集まります。それを利用し離職率の高い企業に対して課題解決をサポートできる可能性があります。
ただし、このサービスを実施している退職代行企業は見受けられません。その理由として、企業側が退職代行サービスを受け入れることの難しさがあると考えられます。課題解決・コンサルティングを依頼する会社との間には信頼関係が必要不可欠です。重要なデータがあるとしても企業対退職代行サービス+退職希望者といった構図になっている以上歩み寄る難しさはあるでしょう。
まとめ
退職代行サービス業界は今のところ大きな市場ではありませんが、年々規模は拡大しています。市場が拡大していけば大手企業も参入してくる可能性があります。退職代行が世間に受け入れられていけばマイナビをはじめとした転職支援サービスが退職支援も同時に行うといった形が生まれてくるかもしれませんね。