【トランプ関税】そもそも関税って何?その影響は?

2024年のアメリカ大統領選挙の当初から「Make America Great Again(アメリカ合衆国を再び偉大な国にする)」と発信していたトランプ大統領。トランプ氏の政策の一つに経済に大きな影響をもたらしている関税政策が「トランプ関税」とも呼ばれ話題となっています。

トランプ関税によってどうなるのか、といった考えが様々取り上げられていますがが、そもそも関税の意味や目的、仕組みなどといった基礎知識を持っていない方もいるのではないでしょうか。そこで今回は関税についての基礎知識を身に着けることを目的とした記事を作成しました。

目次

関税の意味と仕組み

関税とは何か

関税とは、輸入品や輸出品に対して政府が課す税金のことです。主に輸入品に対して課されることがほとんどです。そのため、ほとんどの場合は輸入事業者(企業や個人)に対して関税の支払いを政府が義務付ける形になります。

関税の仕組み

下の図が関税の仕組みを例として現した図です。日本企業が車をアメリカの輸入業者に販売した際に、日本企業の製品の金額に対して関税がかけられます。仮に車の金額を500万円、関税を2.5%とした場合、12万5千円が関税となり、輸入事業者がその金額を政府に納めることになります。その流れでアメリカの消費者に対して、700万円で車を販売した場合、700万円 -(500万円+12万5千円)となり、アメリカの輸入業者の利益は187万5千円となります。

わかりやすく捉えるためにあえてすべて日本円で表現しています

関税が上がる場合の影響

関税が上がると何もしなければ単純にアメリカの輸入業者の利益が減ります。企業側としてはそれを良しとはできない場合が多いため、一般的に関税分を販売価格に転嫁することがほとんどです。この場合、輸入品が高くなることから国内製品が競争力を持ちやすくなります。また、関税が増加することで単純に輸入する国の税収が増加すると考えられます。

関税をかける4つの目的

関税をかける目的は主に4つ存在します。①国内産業の保護、②政府の収入源の増大、③貿易バランスの調整、④外交政策の手段です。

国内産業の保護

関税を課すことで、輸入品の価格を上げ、国内産業を保護します。これにより、国内企業が競争力を維持しやすくなります。

政府の収入源の増大

関税は政府の重要な収入源の一つです。これによって、公共サービスやインフラの整備などの行政に必要な資金を増大させることが期待できます。

貿易バランスの調整

関税を利用して輸入を抑制し、貿易赤字を減らすことができます。2024年のアメリカの貿易赤字は185兆円と過去最大を更新したといわれています。

外交政策の手段

関税は外交政策の一環としても利用され、他国との交渉や制裁の手段として使われることがあります。トランプ関税の一番の目的はこの交渉(いわゆるディール)にあるといわれています。

関税の歴史

古代から関税は存在した

関税の起源は紀元前までさかのぼります。古代のローマ帝国や中国の唐王朝などでも貿易で関税が課せられていました。中世においては城や都市ごとに関税が設けられ、封健領主が税収を確保するために利用していました。

自由貿易の台頭

その後、18世紀おいても、自国を守るために関税を利用し輸入を抑制する形で国富を増大させようとしました。18世紀後半から19世紀にかけて、アダム・スミスの「国富論」により自由貿易の優位性が主張させ、イギリスを中心として関税の引き下げの動きが広がりました。

関税・貿易に関する様々な協定

第二次世界大戦後、関税および貿易に関する一般協定(GATT)が設立され、関税の引き下げと自由貿易の促進が進められました。現在では、各国間での経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)の締結により、関税が廃止される品目が増えています。

関税および貿易に関する一般協定(GATT)は1995年に世界貿易機関(WTO)が設立されたことにより、終了しました。

まとめ

各国は商品ごとに異なる関税率を設定しています。関税率は商品の種類や原産国によって異なります。その違いの背景には様々な要素が絡んできます。そのため完全に理解するには長い道のりが必要です。まずは様々な国の関税政策を少し調べてみて、「なぜこの商品の関税を高くしているのか?」、「国富論ってなんだ?」などといった疑問を深ぼってみると良いでしょう。

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